ドッグフードはじめてガイド

ドッグフードの防腐剤

ドッグフードの品質を判断する際に、防腐剤の有無を確認する人も多いと思います。
近頃は、そんな飼い主の声を反映して防腐剤を使用しないドッグフードも増えています。
しかし、防腐剤が使用されたドッグフードは全てが「悪」なのでしょうか?

そもそも防腐剤は、何のために添加されているのでしょうか? 特に、一般的なドッグフードには魚や肉が多く使用されており、これらの食材は油脂を含みます。
油脂は、酸化すると有害な物質に変わるという性質をもっています。
油脂以外の素材も、酸化や時間経過によって徐々に劣化していきます。

しかし、ドッグフードは製造されてから使い切られるまでの間、数か月から長いもので1年もの時間を要します。
その間、酸化や腐敗に負けず、できるだけ品質を維持しなくてはなりません。
そこで品質維持のために添加されるのが、防腐剤です。
いわゆる「酸化防止剤」もこの「防腐剤」にあたります。

人工的な防腐剤として有名なのは、エトキシキン、BHT、BHA、没食子酸プロピルなどです。
これらは低コストで長期保存が可能かつ、効果が強力であるというメリットがある反面、長期的な摂取で、健康に悪影響をもたらす恐れがあるといったデメリットが指摘されています。

それに対して、最近使用されるようになってきたのが、ビタミンEやミックストコフェロール、ローズマリーなどの自然由来の防腐剤です。

これらは健康への影響が少ない防腐剤として知られていますが、コストが高いことと、防腐剤としての効果が低く、長期保存にも向かないといったことがデメリットです。
また、一部には自然由来とうたわれているものであっても、その成分を抽出する際に化学薬品を使用しているといった情報も耳にします。

「人工的な防腐剤は悪いもので、自然由来の防腐剤は良いものだ」という考えが定着しつつありますが、こうして見ると人工的なものにも自然由来のものにも、長所と短所があることが分かります。

防腐剤だらけのドッグフードを食べさせることに抵抗がある飼い主さんは多いですが、かといって酸化したドッグフードを食べさせることも良いことではありません。
ドッグフードの材料や成分には、良い面と悪い面の両方を持ち合わせているものが多くあります。
偏った考え方で視野を狭めるのではなく、いろいろと総合的に判断する必要がありそうです。